Story/モエかん
モエかん各ルートネタバレ解説と一部余計な考察やメモ。 ※現状自環境でで読み直しの出来た、コンシューマ版及びモエかすを参照。 攻略ではありません。 ほぼほぼ読み直しメモとその注釈程度であり、個人的な感想文の様なものでもあります。 ストーリーラインをその侭追うのではなく、解り易さの為に謎の解答などから先に書かせて頂く事もありますので、物語を楽しみたいと言う場合にはご注意を。 あとかなり省略しています。申し訳ない。 飽く迄いちファンの個人的な理解の範疇ですので、公式の見解とは異なる点も多々あるだろう事を予めお詫び申し上げます。 ========================= ●鈴希篇 いわゆるロリ枠の鈴希のシナリオ。リニア同様に貴広の過去、記憶にない幼生体の頃を背景にしており、死別やそこからの復活と言う、当時流行った泣きゲー系の路線の様に感じられるお話。 朝霧一紗、飯島、N3と戦闘向け要員も出て来るが、肝心の戦闘描写は殆ど無く、貴広と鈴希とかずさの関係性や交流を読む事になる為、起伏は少なくてどちらかと言えば淡々と進んでいく。 設定上ある程度は仕方がないのだが、鈴希はかずさと表裏一体ヒロインの扱いの様で、鈴希ルートではかずさが縁の下の力持ちとしてかなり奮闘してくれて出番も多い。かずさが一晩でやってくれました。 かずさルートを読んだ後でないと、かずさが何者なのかもいまひとつ解らないですしね…。 かずさとは逆にリニアや冬葉の出番はほぼ無く、どことなく閉じた世界と言った印象を受けて仕舞う。 当然かも知れないが、鈴希との交流の密度は強め。貴広が不審少女の鈴希を最初はからかったりするばかりだったのが、少しずつ心を許して行き距離が近付いて行く様子など細かく丁寧に進んでいっている。 貴広のナーサリークライム=不死設定が根本的な部分にある為に、設定に対する理解が無いと、リニア篇とほぼ同じ様なパターン且つ短い少年時代に色々ありすぎでは?と思えて仕舞うのが難点。 鈴希ルートは単独で読むのには向かず、他ルートでモエかん世界や人物の設定を理解してから読むと、すんなりと入ってくるタイプだと思います個人的には。 設定の共有の不一致なども原因にあるのか、時折おかしな言動や現象や会話も出て来て仕舞っていて、細かい部分まで少しかなり気になってしまう…。まあこれが気になるかは人それぞれだと思いますが。 ========================= ・鈴希篇※ネタバレ含む大まかなストーリー 深夜、貴広は屋敷の中で黒ずくめの少女、鈴希に出会う。真っ黒い装束の上に帽子で人相も伺えない。深夜屋敷を徘徊する不審人物だ。 ある時たこ焼きをお腹を空かせていた鈴希にあげると、彼女は驚く程に感動をするのだった。 やがて霧島に見つかり、彼女の(恐らくは独断で)判断でメイドとして登録する事になり、鈴希は晴れて2563号島の住人の一人となった。 その頃から、貴広は幾度か同じ夢を俯瞰した。 それは灰色の空と海の間で、互いにひとりきりのみすぼらしい少年と少女が出会い、身を寄せ合って暮らす光景。 夢の中で少年と少女は、一匹の黒猫と共に、廃棄されて鍵のかけられた灯台の足下にある管理室に住んでいた。 身を切る様な寒さの中過ごしたり、食べ物の調達に失敗して痣だらけになったりしている、その生活は厳しいものだった。 海の向こうになにがあるのかと言う少女の問いに、少年は、きっと夢の様な世界があるのだろうと答える。 リニアの不調が気にかかっていた所で、隷から渡された時計の中からリニアを修理する為の回路図を発見する貴広。 早速おやじさんの元へ持っていき、これでリニアに対する心配は解消された。 厨房でかずさ謹製のたこ焼きを頬張っている鈴希。かずさの作ったものなら食べてみたいと、一個くれと頼む貴広。 かずさも加わり三人で半分こにし合う光景を、かずさはにこにことしながら見ていた。 そして貴広もまた、その光景をどこか懐かしいと感じていた。 太鼓や笛の音のする中、貴広はいつもの少年と少女を見ていた。 祭りの屋台が並ぶ中、少年は少女に何が欲しいかと聞き、少女が指さしたのはたこ焼きの屋台だった。 浮浪児たちと、その握る小銭とを厭な目で見ながらも、たこ焼き屋の店主は1パックを渡すだけで、後は二人に意識も向けようともしない。 寒い中灯台へ戻り、あたたかなたこ焼きを頬張る二人は、やって来た黒猫にもお互いに一つずつ分けて、これで皆一緒だと言って笑い合った。 そんな中、ALICE IN CHAINSの「朝霧一紗」を名乗るメイドが訪ねて来る。 朝霧は、自分の名を騙るメイドこと朝霧かずさと、身元不明の鈴希が刺客である可能性が高いと言う。 貴広は何者かの判断は俺がつけると言うが、現れたかずさに朝霧は問答無用で襲いかかった。かずさは、貴広と擦れ違い様に小さなビー玉の様なものをこっそりと渡して逃走する。それは、中に炎を燃やしている様な不思議な球体だった。 朝霧は態度こそしおらしく、二人を無傷で捕らえろと言う貴広の意向には従うが、その代わりに護衛メイドを付けて行動を制限する。 護衛メイドを付ける命令を出したと言う水野と言う人物は貴広の若い頃の教官であり、親代わりでもある男で、幹部連でも一二を争う実力者である。 そんな水野の名を出され貴広も強くは反論出来ず、暫く護衛メイドにつきまとわれる生活を送る羽目になり、自由に動けずにかずさや鈴希の無事を確認も出来ない状況になる。 鈴希には闇や影を移動する不思議な能力があった。その能力で部屋の暗がりから現れた鈴希にかずさが危険だと教えられ、助けに向かう貴広。 当然入り口の外で待機している護衛メイドに見つかるが、鈴希は素早く髪の毛の拳で護衛メイドを気絶させて仕舞った。結局あれこれ考えても、最終的には物理が物を言うのだった…。 廃墟ではかずさと朝霧が戦っていた。朝霧はあのしおらしい態度はどこに棄てたのか、残虐な笑みを浮かべていた。その目は貴広のよく知る、殺戮者の目だった。 受けて、朝霧はそれは貴広も同じだろうと言う。ナーサリークライム・神崎貴広が何億の命を奪ったか。その死の数に比べれば自分など足下にも及ばないと。 朝霧は目の前の少数を。貴広は見えない所の何億を。さて、どちらが殺戮者…? そこに、違う、と割って入ったのは鈴希だった。貴広は沢山の人を殺した事を苦しんでいたのだと。然し泣く事は出来なかった。貴広は涙を忘れたのだ。悲しい事も苦しい事も全てを受けて耐える事しか出来なかったから。 そしてそれは、殺す事を楽しんでいる朝霧とは違う、絶対に解らない事だ、と。 嘲りながら朝霧は「もう一つの命令」として、神崎貴広の抹殺を告げて襲いかかって来る。 貴広の代わりに刃を受けたかずさの体が光輝いたかと思うと、後には腹部から血を流す一匹の黒猫が横たわっていた。 (※どう言う動きがあったのか読み飛ばしで解らなかったのですが、貴広は朝霧は自分が倒したと言っている。拳銃を薙刀で上に払われているから、撃てた筈はないのだけど…?割って入ったかずさが刺したと言うのが自然だと思うけど…) その黒猫をかずさと呼ぶ鈴希。貴広は猫になったかずさを抱えて屋敷へと戻った。 島の専属医の笹木に何とか頼み込んで猫のかずさの手当をして貰う。 貴広は、猫のかずさには尻尾が二つ生えていると聞かされる。それ以外は何もなく、傷も深くはないし無事だった。 猫の姿のかずさは平然と人間の言葉で、これが本当の私なのだと話す。 かずさは貴広に、あのビー玉を渡したのは自分だと言う事、そしてそれを大事に持っていて欲しいと頼む。 そして、期限までに鈴希の事を思いだして欲しいと貴広に告げる。それは貴広が自分で思い出さなければならない事なのだとも。 かずさの言う、鈴希の事を思い出すと言うのはどう言う事なのか。 考える内、以前鈴希が灯台に上りたがっていた事を思いだした貴広は、鈴希を連れて灯台を上った。 辿り着いた天辺で鈴希は目をきらきらさせて水平線を見つめた。だが、ここからでは夢の世界は見えないね、と口にする。その言葉に何かを思い出しかける貴広。 そこにヘリが飛んで来るのが見えた。護衛メイドたちが呼んだ帰投用のものだろう。ヘリからは飯島も降り立った。 鈴希に待っている様に言い聞かせ、貴広は屋敷へ戻った。 朝霧は飯島の部下だ。それが殺された事に対して所長室で説明を求めて来る飯島に、貴広は正直に、朝霧は自分が仕留めた事、そしてその理由は、彼女が刺客であったからだと答える。 飯島の言い分ではかずさらの捕縛を命じた所までは確かだが、「もう一つの命令」として朝霧に貴広を暗殺する命令を出したのは飯島では無いらしい。ALICE IN CHAINSを動かせるとしたら、それはALICEの室長である飯島の更に上、取締役会しかない。貴広に護衛を付ける指示を出したと言う水野政策部長か、それとも他の役員か。 やがて飯島は貴広に、手を組まないかと言って寄越した。それはクーデターの誘いだった。 然し貴広は自分は望んでここに居るのだと、自分にはもう何も出来やしないのだと断る。すると飯島はあの護衛メイドに鈴希を人質に取らせた。クーデターには貴広の力や存在は欠かせないのだ。 鈴希に触れるなと叫びかけた貴広は、再び奇妙な既視感に襲われた。激しい眩暈の中、貴広は意識を失う。 貴広はまたあの夢を見ていた。 病に倒れた少女の為に少年は奔走し、夢の世界──灯台からの風景を見たいと言うその願いに応えるべく、灯台の鍵を持つ男を捜し回った。 死にそうな妹の為に鍵を貸して欲しいと懇願する少年を、鍵を持つ男は嘲った。お前らみたいなガキは幾ら死んでも、世の中には関係ないのだと。言い放って。 貴広は、かっとなった少年が地面に落ちていたビール瓶を掴むのを見た。 気がついた時には、男は頭から血を流して倒れていて、悲鳴を背に少年はその場を走り去った。 少女の元に戻った少年が、何も出来ない事を詫びていると、あの黒猫が、拾って来た灯台の鍵を差し出した。少年は少女を背負って灯台に向かう。 然し灯台の上から見えたのは、何もない灰色の海だけ。目すら見えなくなっていた少女に、少年は夢の世界があると嘘をつく。 元気になったら夢の世界に行きたいな、と願って、少女は事切れた。 そこに、少年の殺して仕舞った男の父親が徒党を組んでやって来る。あのガキが息子を殺したのだとヒステリックな声が叫ぶ。 大勢の足音が灯台へと詰めかけ、少年は無抵抗の侭に殴られて取り押さえられる。 少女の亡骸も取り押さえられるのを見て、少年は叫んだ。 ──鈴希に触るな、と。 貴広は不意に理解する。あれは自分だった。鈴希を護ると、そう思ったのに。誓ったのに。何も出来なかった自分だ、と。 そこに猫のかずさの声がした。思いだしたんだね、と語る彼女は、あの時二人の傍にいた黒猫に間違いなかった。 「今度はちゃんと鈴希ちゃんを護ってあげてね」 かずさの声が途切れたところで、貴広は目を醒ました。 己を捕らえていたメイドたちを振り払って飯島と対峙する貴広。飯島はそんな貴広が泣いている事に驚く。貴広自身気付いていなかったのだが、どうやら知らぬ内に泣いていたらしい。 赤子を殺す事にすら躊躇しなかった貴広が涙をこぼしたと言う事に驚きを隠せない飯島だが、貴広はそれを、嬉し涙だと言う。やっと大事な事を思い出せたのだと。 ナーサリークライム。その名だけで人々は憧憬し畏怖する。貴広を倒せば、その称号は飯島が引き継げる。 (飯島はALICEの室長なのだし、ナーサリークライムが何であるかは知っている筈なんですが、この場では、ナーサリークライムはただの称号みたいな扱いと思っていた様ですね飯島さん…) 貴広はほんの僅かだけ戻った漆黒の力を、飯島は単分子ワイヤーを出して身構える。鈴希を助ける為には、飯島を退けるしかない。 だが、両者が交錯するその寸前に、あの護衛メイドが割って入っていた。 その両手に携える盾にはN Girlのエンブレム。彼女は社長直属のN Girlが一人、N3であった。 N3は飯島に拘束と審議を宣言し、貴広には三年の減俸と島外への外出禁止の処分を下した。抗おうとする飯島は鈴希を人質にし、N3を殺せと貴広に迫る。 然し次の瞬間、N3も驚く程の速度と膂力で、貴広は飯島の頭部をヘリへと叩き付け、鈴希を奪い返していた。 力が戻ったのならばこの侭殺して欲しいと願う飯島だったが、俺にまた悲しみを背負わせるなと貴広は一蹴。 二人を無言で見守っていたN3は、飯島を回収する様命令を出し、去っていった。 かずさは全てを話してくれた。鈴希が死者であり、貴広の苦しみを消したいと言う願いによって、かずさの助けを借りて、条件と期限つきで此岸へ戻って来て居る状態にある事を。 鈴希の願いである、貴広が涙を思い出すと言う条件は叶った。あとは今にも揺らいで消えそうなビー玉の中の炎が刻限を知らせてくれていた。 願いが叶って、なおも彼女をつなぎ止める事が出来るのは、炎が消えるまでの僅かの時間だけ。 鈴希を案じる霧島を見て貴広は考える。霧島以外にもこの島には鈴希の事を可愛がってくれる人たちはいた。その人たちは鈴希がいなくなって仕舞った時にどの様な顔をするのだろうか、と。 貴広は今まで、他人の悲しみなど深く考えた事はなかった己に気付く。 それから数日。貴広は鈴希とずっと行動を共にするのだが、霧島も、おやじさんも、リニアも、鈴希の存在に言われなければ気付く事が無くなり、終いには教えても直ぐにその存在は認識から消えて仕舞う様になっていった。 貴広は鈴希を忘れない様にと自らの腕にカッターナイフを突き立てる。鈴希は、これは苦しみではないと言う貴広を悲しそうな目で見ていた。 そしてやがて、貴広も鈴希のいない生活に戻る。然し違和感や焦燥感が尽きない。 どこから入って来たのか、黒猫に腕を引っ掻かれた事で、自分でつけた傷を発見し、貴広は鈴希の事もかずさの事も思い出す。 鈴希は、貴広が鈴希の消滅に苦しむのが厭で、自ら離れていったのだと言う。かずさにエールを送られながら、貴広は鈴希の居る灯台を目指して走った。 灯台の天辺に鈴希は居た。貴広は、夢の世界なんて無かったと、海しかない水平線を見て謝るが、鈴希は、ここが夢の世界なのだと言う。暖かくて、綺麗で、優しい人たちがいっぱい居て、貴広が居る。こここそが、鈴希の描いた夢の世界だった。 ここに居てくれと願う貴広。離れたくないと本心をこぼす鈴希。だが、生と死の理は人間の覆せる道理ではない。鈴希の姿は光に融けて消えていた。 戻った貴広を迎えたかずさは、鈴希が最後に「離れたくない」と言っていた事を聞き、何かを決意する。 人に覆せない道理も、人ではないものにならば。 かずさが屋敷へふらりと消えたと思うと、大気と大地とが震え出した。沸き出した光の粒に導かれる様に貴広が寝室へ向かうと、目映く集束する光の中に鈴希の姿があった。 三年後。 貴広の謹慎は解けたが、元々島の外に出ないから余り関係はなかった。 飯島は生かされ、貴広と同じ様な仕事をしているのだと「風の便り」で聞いたと言う貴広。それを聞いた霧島は、男の友情と言うやつかと笑う。 蘇った鈴希は正式にメイド登録され、灯台管理の仕事を手伝っていた。三年の間に、今まで止まっていた時間を取り戻す様に成長した彼女は、幼い少女から立派な女性になっていた。 灯台に居る鈴希の元へ向かう貴広。海を見つめる鈴希の腕には、すっかり普通の猫となったかずさが居る。 鈴希は、この夢の世界にずっといられるのも、貴広とかずさのお陰だと言う。鈴希の戻ってきたいと言う思いと、貴広の戻ってきて欲しいと言う思いが強かったからこそ、鈴希は彼岸から此岸へと戻って来れたのだ。 そんな鈴希の手を取って貴広は歩き出す。同じ時を共に過ごす為に。 ========================= ・鈴希篇まとめと補足 何十年も前の死者が生き返って仕舞うご都合主義はどうかとも思うのですが、まぁ…それを言ったらリニアも色々とアレですが、リニアの場合はまだ一応理屈で出来ているので…。 かずさ篇同様に猫又かずさが大活躍するので、その辺りもどファンタジー。 …なのに、そのファンタジーの部分が、鈴希がずっと貴広を見ていたらしい事、猫かずさが幼生体時期の貴広と鈴希の傍に居た事やその後の事、と言うか日本荒み過ぎだろと言う事、どうやって猫又かずさに幽霊鈴希が接触したのかと言う事、捜し物を思い出さない他篇では鈴希はどうやって生存しているのかなどなどなど、あちこちでフワッとしすぎていて、設定厨としては残尿感が気になって仕方がない。 貴広に泣いて貰う事が鈴希の願いであった訳だが、何故泣かないのか、泣けないのか、と言う部分の状況や説明も弱く、リニア篇で貴広は普通に泣いているし、肝心なところでよく解らない部分や矛盾も生じまくって仕舞っている。 また、本社や飯島の陰謀なども結局よく解らない侭に置き去りにされて仕舞っており、N3が格好良く介入するものの、一体どういうスタンスで護衛メイドのふりをして現れたのかも今ひとつ解らず細かい部分がこれまたすっきりしない。 (朝霧から貴広を護る護衛なのか、来るかどうかも解らない飯島の監視なのか、霧島はそれを感知していたのか…など、可能性は色々あっても明確にはなっていない為) 基本的に鈴希との関係や交流を追ってればそれで、こまけぇことはいいんだよ!と言った感じもあり、他ルートで散見出来る、陰謀や腹のさぐり合いやバトルなどの要素は薄い。 逆にそちらに比重がありすぎるとシナリオが薄くなるしで、かと言ってファンタジー面が説明適当なのも気になって、どちらも中途半端になって仕舞った感は拭えないが、設定などどうでもよく、鈴希との交流だけを見れば、普通の泣きゲー系として読める…のかも知れない。 飯島と仲良くしている?らしいと言う異色の終わり方なのも特徴と言えば特徴。クーデターを起こそうとしていた飯島が易々貴広にお手紙や電話なんて出来るとは思えないので、「風の便り」が文字通りに神風経由だったりするとPIXIES的には面白いんじゃないかなとか勝手にぼやいておきますね。 ・少し掘り下げの余談。 リニアルートでの貴広と千歳との出会いが1997年で、そこから2106年のJesus and Mary Chainまでの109年間のどこかが鈴希と過ごした時間になる。 貴広と鈴希との生活だが、たこ焼きなどの屋台が存在している事からしても日本(ニホンニア)である事は間違いがない。海があって寒い地方の何処か。 そして貴広は千歳の死後に最低でも一度は死ぬなりして記憶が途絶している(そうでなければ千歳の事をまるきり忘れている事は無いんじゃないかと) 千歳との遣り取りと鈴希との遣り取りを見ても、幼生体の貴広は記憶がなくほぼ成長していないので、神崎貴広として幾度も死と再生とを繰り返していた可能性はある。 また、鈴希と暮らしていた時代が、浮浪児や孤児がうろうろしていても誰も気にしない、どころか冷たく扱うと言う異常な状況である為、2003年の極東日没の出現に因って大阪壊滅と日本列島への大打撃、世界情勢の変動など様々な事が起きている最中であったのではないかと推測は出来る。 そんな荒れた情勢下ならば、見た目は成長しない子供である貴広が幾度か死んでいても不思議ではない。 そして、鈴希の為に殺めて仕舞った男の仇討ちとして、鈴希が死亡した直後の様子からしても、直後に貴広が報復に殺されている可能性は高い。 前述通り孤児に誰も優しくなく、人権が保障されている様子もなく、裁きにかけるとか警察を呼ぶとか言う段を飛ばして、徒党を組んでやって来ているのだから、その侭撲殺か海に放り込まれるかぐらいは普通にしているだろう。 その為、ここでまた貴広は一時死に因って記憶を途絶していると思われる。 ……何と言うかもう、ひたすらに不憫である。 ※再読み出来たの現状コンシューマ版で、PC版は憶えていないのであやふや…。 ========================= ========================= |